まいこネット構築状況

吉原 博幸
京都大学


 

NPO京都地域連携医療推進協議会と京大病院との共同研究で、三条烏丸のNTT西日本データセンターに、下図(中心部)のカルテセンターが「まいこネットセンター」として、2006年3月に稼働した。その機能は以下の通り。

  1. 患者カルテデータ格納
  2. データ連携機能(医療機関間)
  3. 電子的カルテ開示機能
  4. セキュリティ(不正アクセス防止等)
  5. 他データセンターとの連携(センターをまたがる同一患者データの統合)

稼働した機能は、下図の通り。現時点で接続された医療機関は京大病院のみ。

稼働した機能

まいこネットセンターのポータルサイトとしての機能(1)

ポータルサイトとは、特定の目的に絞った情報を一カ所に集め、利用者の利便性を高める為に運営される、看板のようなサイトを指す(探しやすい、ワンストップサービス)。利用者は、ここで目的のサービスを探し、個別のサービスサイトへと進む。
サービス提供者の立場から考えると、ポータルサイトに情報を掲示することによって、単独でWebサイトを立ち上げるよりは、より利用者の目に触れやすく、集客のチャンスが増えるという利点がある。また、単独運営に比べて、遥かに運用コストが低減されるというメリットがある。
代表例として、Yahho、Amazon、楽天、、、などがある。

まいこセンターは、カルテ情報を患者ごとのアカウントに蓄積し、これを連携医療、開示、バックアップとして利用することを第一義的な目的としているが、その他に、多くの利用者(患者さん等)が訪れるサイトとなることから、患者向け情報提供(報道機関とのタイアップ)、ポータルサイト(対象は患者さんの他、医療機関)としての位置付けも考えられる。当面は、医療機関の外向けサービスの配信。近い将来は、地場産業の健康系サービスなども、ポータルサービスのラインナップに入れたい。

下図の例は、医療機関同士の相互サービス提供のポータルとして機能することを想定している。つまり、例えば紹介状のやり取りを考えると、まずAクリニックが、まいこセンターを訪れ、まいこセンタ−サイトには、ディジタル紹介状を受け入れる体制の整った病院のリストが表示されており、目的の病院を選ぶと、その病院のサーバに飛ぶ(まいこセンターは、仲介を行うのみで、病院側は、例えば紹介状受け入れシステムの整備は必要)。この方式では、まいこセンターが、病院外とのやり取りに伴うセキュリティ等を一切引き受けるので、個別の病院のシステム負担が激減する(当然経済負担も減少)。クリニック等、サービス依頼側から見て、地域医療機関のサービスがポータルサイトに集約されているので、検索、選択が容易になる。

ポータルとしての機能


まいこネットセンターのポータルサイトとしての機能(2)

京大病院への紹介状作成/送付サービス(例) 
#本機能の本体は、京大病院側で立ち上げたサービス 
#まいこセンターは、公平な仲介機関として機能する 
#この他、診療予約、病理、特殊検査申し込み等を予定紹介状入力画面

紹介状1

紹介状2

作成された紹介状
(京大側で受け取られ、地域連携医療部等で内部処理される)