宮城県脳卒中ネットワーク「スマイルネットみやぎ」について

曽根 伸二
株式会社ヴァイタス(Vitas)


 

脳卒中は、我が国の死因の第2ないし3位、要介護の原因疾患の第1位を占める重要な疾患です。脳卒中医療は最近10年間で大きく進歩してきましたが、まだまだ改善すべき点も残されています。そこで東北大学大学院神経外科学分野 冨永悌二教授を中心として、宮城県内の包括的脳卒中治療体制の確立、学術水準向上、患者のQOL向上を目的として、2004年10月、宮城県脳卒中研究会議が立ち上がりました。現在までに宮城県内の脳卒中診療に関わる主な約40病院及び施設の参加を得ています。 

 本会議の目的を実現する手だての一つとして、宮城県脳卒中ネットワーク「スマイルネットみやぎ(“SMILE” :Stroke-net in MIyagi Local E-communicationsの頭文字を取ったものです) 」を構築、2005年10月より運用を開始しました。株式会社ヴァイタスは、パートナーとしてシステムの開発・運営・管理を担当しています。

「スマイルネットみやぎ」は、急性期治療、リハビリ、慢性期治療、そして介護に至るまで、医療機関(施設)間で共有・活用することにより、転院支援や情報伝達の効率化をはかるものです。リハビリや介護を要する患者の病院間の転院を支援する我が国初めてのオンラインシステムを取り入れており、医療側・患者側の双方にとって大きな貢献をするものと期待されます。また、患者自身のアクセスを可能とし、真の地域医療ネットワークを目指します。社会的にも大きな貢献が予想されることから、宮城県医師会、宮城県の後援も頂いています。

「スマイルネットみやぎ」 には下記の特長があります。

  1. 急性期、リハビリ、慢性期、老健等で患者サマリーを共有(図1)
  2. 統一フォーマットへの入力で様々な診断書や報告書を作成、豊富な検索機能
  3. 転院支援機能により、転院申込から受入までネットワーク上で効率的に支援(図2)
  4. 患者自らが自身の医療情報にアクセス可能
  5. 企業協賛型であり、医療関連情報の提供により企業からの広告収入を得るモデル(図3)
  6. 患者が、健康や再発予防に対して前向きに取り組むことによるインセティブが与えられる
  7. ビジネスモデル特許出願中(出願番号:2005−286219) 
図1
図1
図2
図2
図3
図3
(図をクリックすると別ウィンドウで大きく表示されます。)

 

 今後の展開について

  1. 「スマイルネットみやぎ」 モデルを他地域へ展開
  2. テーラーメイドリハビリテーション施設のFC展開
  3. ヘルスケアポータルを通した地域医療連携(糖尿病等の他疾患、予備群含む)の確立

 ※平成18年度 サービス産業創出支援事業へ提案公募済み(図4)
  ■代表団体 株式会社ヴァイタス
  ■参加団体 宮城県脳卒中研究会議 
 構成メンバー/東北大学・脳疾患治療に係わる約40医療機関・老健施設
 後援/宮城県医師会・宮城県
楽天株式会社 (ポイント付与、ヘルスケアポータルの企画、運用試行等)
ビットワレット株式会社 (電子マネー「Edy」運用、認証カードの運用試行等)
日本ラッド株式会社 (割符システム、コールセンター運用試行等)
株式会社オアシス (健康サービスコンテンツ提供、教育関連等)

図4図4(クリックで拡大)