Meeting 終了後、17日:懇親会(宮崎市内)および 18日:意見交換会(コテージヒムカ内)で開催予定です。
1995年にSeagaia Meetingとしてスタートして、今回2024年でちょうど30周年となります。 もともと、今でいうEHR(医療機関のデータ連携、臨床研究)を目標とし、そのために必須な医療情報共通規格(MML: Medical Markup Language)を作成するため、有志の集まりが1994年に宮﨑で開催されました。翌1995年、正式にSeagaia Meetingとして始まりました。その後、5年の歳月を経て、MML 1.0が完成しました。
MedXMLコンソーシアム(2002年、大橋克洋初代理事長)は、MMLの開発・発展のために立ち上げられました。1995年当時、米国ではHL7の検討が始まり、98年頃に日本にも紹介され、国内でHL7を採用するグループも現れ、共通規格は2つのスタンダードとして国内で実装されていきました。結果、現在ではMMLは医療情報のほぼ全てをカバーし(17医療文書)、大手電子カルテベンダー全てにおいてMML出力が可能となりました。この成果は、2015年から始まった次世代医療基盤法での「千年カルテ」に結実し、2024年1月時点で900万人のユニーク患者データの集積が実現しています。
長い道のりでしたが、ようやく実務に耐える規格となりました。今後、遺伝子情報、画像情報との連携など、新しい分野への対応など、まだまだ課題は残されています。AIの加速的普及を考慮しながら、新しい時代に対応することになります。
今年も昨年に続き、AIへの大規模データ利用、AIを活用した幅広い医療サービスをテーマに、自由・活発な議論の展開を期待します。
Seagaia meetingが発足した1995年当時より医療情報の標準化が重要と注目されており、2000年代には政策にも取り入れられた。2002年より2024年現在まで厚労省標準としてのべ40の規格が採択されてきたが、2019年に行われた厚労省調査ではレセプト申請に関わる規格以外はその採用率は多いものでも20%前後であり、5%に満たないものもある(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/0000214316.html)。
医療情報標準の普及に向けた政策的支援への要望もあり、新たにHL7 FHIR規格の採用を進める政策をうちだし、採用した医療機関には保険診療での医療DX加算も認められた。さらにFHIR規格に準拠した「標準型電子カルテ」の開発も進められようとしている。本講演では国内外のデジタルヘルス戦略を踏まえた標準規格の技術的動向に触れ、20年たっても普及しない医療情報標準規格の今後について展望する。
千年カルテに集まるデータへの期待には,臨床研究を実施可能かどうかという点も含む.一方で,取得そのものの困難さから,現在は部門システムのデータを対象とはしていない.広島大学病院では統合データベースを導入しており本体・部門を問わないデータ取得を試みている.電子カルテの現状から,院内の全データ収集にかかる将来の可能性について考察する.
看護師が確認したバイタルの入力で構成するEarly Warning Score(EWS)の遅延による問題を克服するために、Rapid Response System(RRS)を補完するPreRRSシステムを開発した。このシステムは、医療機器から得られるバイタルサインを直接利用して、患者の状態に異常がある場合に看護師へ即座に通知する。これはEWSとは独立し、情報は加工せず示すことで、医療判断に影響を与えないように配慮している。
実装された病態適応型異常検知アルゴリズムは、不必要なアラートを避けつつ、状況に応じた介入を可能にする。10ヶ月間の運用により、PreRRSが患者の安全性を向上させた一方で、医療スタッフの作業負荷を軽減するには至らなかった。しかし、リアルタイムのモニタリングを通じた早期介入の可能性を示し、医療現場での迅速な対応力向上への寄与を期待できるシステムである。今後の課題は精度向上と、スタッフの負担を減少で、効率的な患者監視を継続することである。
治療に関わる重要なアウトカム情報は、カルテの中に自由記載されている。事象毎に構造化データとして抽出しデータベースとして蓄積できる仕組みの実現は、医療情報領域における長年の悲願となって来た。 LLMのパラメータ数が数百億を超えるあたりから次第に事象を精緻に認識できる能力が現れることが明らかとなって来ており、オープンソースのLLMを用いて千年カルテ等の大規模なカルテデータで継続学習することによって、この悲願を達成できる可能性が出て来た。これまでのLLMの構造化精度評価と今後研究ロードマップ等について紹介する。
会議終了後 19時より宮崎市内にて開催します。料金は5000円 宮崎魚料理 なぶら
会議終了後 18時ごろより会場内1階懇親会会場にて開催します。料金は6500円
4人部屋・8人部屋の手配となります。通常、申し込み順に部屋割りをいたします。
宿泊日により金額が異なります。17日(金)6050円(税込)、18日(土)7700円(税込)いずれも朝食付き