開催概要

会議名:Seagaia meeting 2024 in Miyazaki --AI in Medical Domain 2--

開催日:2024年5月17日(金)14:00~17:00 〜 18日(土)9:00~17:00

開催地:フェニックス・シーガイア・リゾート内 コテージヒムカ ヒムカセンター2F(宮崎県宮崎市山﨑町浜山)

参加費:MedXMLコンソーシアム会員:10000円、 会員以外:20000円

Meeting 終了後、17日:懇親会(宮崎市内)および 18日:意見交換会(コテージヒムカ内)で開催予定です。


事前参加申込の
受付は終了しました

開催に寄せて

1995年にSeagaia Meetingとしてスタートして、今回2024年でちょうど30周年となります。 もともと、今でいうEHR(医療機関のデータ連携、臨床研究)を目標とし、そのために必須な医療情報共通規格(MML: Medical Markup Language)を作成するため、有志の集まりが1994年に宮﨑で開催されました。翌1995年、正式にSeagaia Meetingとして始まりました。その後、5年の歳月を経て、MML 1.0が完成しました。

MedXMLコンソーシアム(2002年、大橋克洋初代理事長)は、MMLの開発・発展のために立ち上げられました。1995年当時、米国ではHL7の検討が始まり、98年頃に日本にも紹介され、国内でHL7を採用するグループも現れ、共通規格は2つのスタンダードとして国内で実装されていきました。結果、現在ではMMLは医療情報のほぼ全てをカバーし(17医療文書)、大手電子カルテベンダー全てにおいてMML出力が可能となりました。この成果は、2015年から始まった次世代医療基盤法での「千年カルテ」に結実し、2024年1月時点で900万人のユニーク患者データの集積が実現しています。

長い道のりでしたが、ようやく実務に耐える規格となりました。今後、遺伝子情報、画像情報との連携など、新しい分野への対応など、まだまだ課題は残されています。AIの加速的普及を考慮しながら、新しい時代に対応することになります。

今年も昨年に続き、AIへの大規模データ利用、AIを活用した幅広い医療サービスをテーマに、自由・活発な議論の展開を期待します。

プログラム  1日目 5月17日(金) (14:00~17:00 受付13:00~)

発表資料 公開中
14:00~14:15

開会挨拶 特定非営利活動法人MedXMLコンソーシアム理事長 中島 裕生

14:15~14:45
デジタルヘルス標準

小林 慎治

Seagaia meetingが発足した1995年当時より医療情報の標準化が重要と注目されており、2000年代には政策にも取り入れられた。2002年より2024年現在まで厚労省標準としてのべ40の規格が採択されてきたが、2019年に行われた厚労省調査ではレセプト申請に関わる規格以外はその採用率は多いものでも20%前後であり、5%に満たないものもある(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/0000214316.html)。
医療情報標準の普及に向けた政策的支援への要望もあり、新たにHL7 FHIR規格の採用を進める政策をうちだし、採用した医療機関には保険診療での医療DX加算も認められた。さらにFHIR規格に準拠した「標準型電子カルテ」の開発も進められようとしている。本講演では国内外のデジタルヘルス戦略を踏まえた標準規格の技術的動向に触れ、20年たっても普及しない医療情報標準規格の今後について展望する。

発表資料発表資料

14:45~15:15
エクスチェンジを中心とした内閣府調査事業の取組みと今後の方向性

田中 良樹(富士通株式会社)

R4年度、R5年度と実施してきた内閣府の調査事業では、データエクスチェンジを中心に、データ流通のコスト低減をテーマに実証等を行ってきた。R6年度はデータを活用できる環境づくりをテーマにエクスチェンジのAPI化などの取組みを予定しており、その方向性について示す。

発表資料発表資料 / 発表映像発表動画

15:15~15:30
休憩 15分
15:30~16:00
FHIR-MML相互エクスチェンジと実用化への課題

山田 勝之(ラジエンスウェア株式会社)

FHIR-MML相互エクスチェンジにおいてR5年度はR4年度のマッピングによる変換方式から柔軟性やメンテナンス性を考慮したアルゴリズムへの転換と、アステリアワープのコンポーネット化機能を使い変換速度の改善を行った。またR6年度に向けての課題を整理したい。

発表資料発表資料 / 発表映像発表動画

16:00~16:30
千年カルテの源泉をたどる旅

粂 直人(広島大学)

千年カルテに集まるデータへの期待には,臨床研究を実施可能かどうかという点も含む.一方で,取得そのものの困難さから,現在は部門システムのデータを対象とはしていない.広島大学病院では統合データベースを導入しており本体・部門を問わないデータ取得を試みている.電子カルテの現状から,院内の全データ収集にかかる将来の可能性について考察する.

発表資料発表資料

16:30~17:00
千年カルテ2024

吉原 博幸(LDI, 京都大学)

千年カルテは2015年にシステム構築、病院の参加を募り、2019年から二次利用を開始した。現在では118医療機関がデータセンターに接続され、登録ユニーク患者数は約1000万人にのぼる。データを使った有償の臨床研究は約40課題に達し、文字情報だけでなく、臨床画像の提供も始まる予定である。

発表資料発表資料 / 発表映像発表動画

 

宴会 場所:宮崎魚料理 なぶら:宮崎市内 19:00~

プログラム 2日目 5月18日(土) (09:00~17:00 受付8:30~)

9:00~9:30
千年カルテサーバーの現状と1.5次利用に向けて

鈴木利明(日本ダイナシステム株式会社)

千年カルテサーバーの現状報告をする。 BCP対応強化のためにカルテ表示をJSON経由で行う仕組みの概要、 1.5次利用のために医師が患者に見せる画面概要と医師用に症例抽出機能の概要を説明する。

発表資料発表資料 / 発表映像発表動画

9:30~10:30
特別講演
日本語に強い大規模言語モデルSwallow

横田 理央(東京工業大学 教授)

世界各国で自国の言語で大規模言語モデル(LLM)を学習する動きが活発になっているが、LLMを一から学習するには膨大な計算資源を要する。東工大ではMetaにより2Tトークンものデータで既に事前学習されたLlama2モデルから継続的に日本語データを学習することで少ない計算資源で日本語性能の高いLLMであるSwallowを開発した。

発表資料発表資料 / 発表映像発表動画

10:30~10:45
休憩 15分
10:45~11:15
リアルワールドの機械学習応用、PreRRSについて

山本 康仁(都立広尾病院)

看護師が確認したバイタルの入力で構成するEarly Warning Score(EWS)の遅延による問題を克服するために、Rapid Response System(RRS)を補完するPreRRSシステムを開発した。このシステムは、医療機器から得られるバイタルサインを直接利用して、患者の状態に異常がある場合に看護師へ即座に通知する。これはEWSとは独立し、情報は加工せず示すことで、医療判断に影響を与えないように配慮している。


実装された病態適応型異常検知アルゴリズムは、不必要なアラートを避けつつ、状況に応じた介入を可能にする。10ヶ月間の運用により、PreRRSが患者の安全性を向上させた一方で、医療スタッフの作業負荷を軽減するには至らなかった。しかし、リアルタイムのモニタリングを通じた早期介入の可能性を示し、医療現場での迅速な対応力向上への寄与を期待できるシステムである。今後の課題は精度向上と、スタッフの負担を減少で、効率的な患者監視を継続することである。

発表資料発表資料 / 発表映像発表動画

11:15~11:45
レセプト精度診断AIシステム「a.iブレーン」

岩原 宏直(株式会社クオリティライフ・クリエイト)

a.iブレーンは、電子カルテと請求済レセプトをAIが自動で学習し、導入病院の算定ルールに沿ったチェックエンジンを生成します。このチェックエンジンにより、毎月の請求前の入院レセプトを自動診断し、算定漏れの確率とそのエビデンスをリストアップします。本ソリューションにより、請求業務の視点から、医事業務のDX、病院の業務改善に寄与したいと考えております。

発表資料発表資料 / 添付資料1添付資料1 / 添付資料2添付資料2 / 発表映像発表動画

11:45~12:00
透析モジュールアップデート

鈴木 卓(MedXMLコンソーシアム 透析SIG)

肥大化した透析モジュールの分割の要望があり、透析履歴情報モジュール(mmlHdh)、透析指示情報モジュール(mmlHdo)、透析記録情報モジュール(mmlHdp)の三つに分割をした。既存のMMLモジュールで対応できる情報はそちらを利用し、透析装置の出力項目は最新の透析治療に対応する為、「血液透析装置に関する通信共通プロトコルVer.4.0」に準拠するよう整理した。これにより、透析情報の管理がより体系的かつ効率的になる。

発表資料発表資料ポスター版 発表資料発表資料スライド版 / 発表映像発表動画

12:00~14:00
昼食休憩 120分

13:45~MedXMLコンソーシアム社員総会

14:00~14:30
BERTを用いた経過記録からのがん治療効果判定

荒木 賢二(宮崎大学名誉教授)

抗がん剤等のがん治療においては、治療効果判定に多くの人的リソースを割いて、電子カルテのレビューを行っている。これらを人工知能を用いて省力化するために、BERTを用いた経過記録からのがん治療効果判定の取組を行ったので報告する。

発表資料発表資料 / 発表映像発表動画

14:30~15:15
千年カルテデータで鍛える構造化用LLM

加藤 康之(Prime-R)

治療に関わる重要なアウトカム情報は、カルテの中に自由記載されている。事象毎に構造化データとして抽出しデータベースとして蓄積できる仕組みの実現は、医療情報領域における長年の悲願となって来た。 LLMのパラメータ数が数百億を超えるあたりから次第に事象を精緻に認識できる能力が現れることが明らかとなって来ており、オープンソースのLLMを用いて千年カルテ等の大規模なカルテデータで継続学習することによって、この悲願を達成できる可能性が出て来た。これまでのLLMの構造化精度評価と今後研究ロードマップ等について紹介する。

発表資料発表資料 / 発表映像発表動画

15:15~15:45
障害年金関連法令のAI援用論理回路化

大井 健太(株式会社アトリス)

法令工学研究の一環として,国民年金法を論理システムとしてとらえ,回路ネットワークの構築を試みている。今回は,論理回路設計の方法と特長を紹介するとともに,医療診断・認定プロセスを含む障害年金関連法令について,論理式の導出,論理回路化を検討した結果を報告する。さらにAI援用の可能性を考察した。

発表資料発表資料 / 発表映像発表動画

15:45~16:00
休憩 15分
16:00~16:30
大規模マルチモーダルモデルによる画像・PDF形式文書データの構造化

荘子万能、藤原涼馬、林樹永(BobBon株式会社)

電子カルテには自由記述で画像やPDF形式の非構造文書データがあり、これらの構造化は医療データの活用に貢献できる。これまでの取り組みで画像・PDFの医療データにOCRと簡単な構造解析を試みた。今回はより汎用的な構造解析を実現するため大規模マルチモーダルモデルを用いて構造解析に取り組んだ。

発表資料発表資料 / 発表映像発表動画

16:30~17:15
医療の質向上を目指した構造化カルテ

西畑 俊樹(AICRO株式会社)

時系列のカルテ記事を構造化することは,患者のサマリ情報を自動で作成できたり,研究レジストリを容易に作れたり,文書を容易に作成できたり,さらにカルテ入力の質を上げる支援をできるようになったり,医療の質を上げうる可能性を秘めている.本発表では,その基礎技術となる構造化カルテについて概説する.

発表資料発表資料 / 発表映像発表動画

宴会 seagaia ヒムカセンター1F: 17:30~

宴会および宿泊について

事務局手配の宿泊と17日の宴会については終了しました。18日の宴会は受け付けています。

1日目(5月17日)の宴会

会議終了後 19時より宮崎市内にて開催します。料金は5000円 宮崎魚料理 なぶら

2日目(5月18日)の宴会

会議終了後 18時ごろより会場内1階懇親会会場にて開催します。料金は6500円

コテージヒムカでの宿泊について

4人部屋・8人部屋の手配となります。通常、申し込み順に部屋割りをいたします。
宿泊日により金額が異なります。17日(金)6050円(税込)、18日(土)7700円(税込)いずれも朝食付き

去年のseagaia meeting

お問合せ

meetingに関するお問い合わせは  toiawase@medxml.net までお寄せください。