ドルフィンプロジェクトの現況と今後

ドルフィンプロジェクトの現況と今後

粂 直人/吉原 博幸 (京都大学、まいこネット、長浜ネット)


2001年にスタートしたドルフィンプロジェクトは、宮崎、熊本で始まり、その後、東京(東京都医師会HOTプロジェクト)、京都(まいこネット)と、稼働地域を拡大して来た。2010年頃から、今後、地域毎にデータセンターを立ち上げることの経済的負担の増大と、災害時のリスク回避などを目的として、共同利用型のセンターを立ち上げることが検討され始めた。2011年4月、最初のケースとして、京都のまいこネットを運営していたNPOまいこネット協議会が、京都でのセンター運営を廃止し、NPO日本医療ネットワーク協会が札幌市(北電DC)でSaaSとして運営を始めたEHRサーバ(iDolphin)の利用を開始した。おりしも、3月11日に東北で大震災が起こった直後であった。以後、長浜市、沖縄、東京の私企業等で、このiDolphinの共同利用を行うべく、準備が進んでいる。
EHRサービスのクラウド化と低価格化が次に来る課題であるが、その他にも、利用者IDの国レベルでのユニーク性担保など、多くの課題が山積している。これらの問題について議論したい。