歯科の情報交換規約は医科の規約と同じでよいのではないかという意見を聞きます。
確かに、現有MML使って歯科の情報交換の多くの部分に対応できますが、以下に述べるような点が医科とは異なるため、やはり歯科向けの規約を作らないと、円滑な情報交換は望めないと考えています。
同様のことは、耳鼻科や眼科でもみられると思いますが、複数の領域が整合性をとりつつ、MMLという共通の土俵にのっていくには、領域を越えて議論を重ねていく必要があります。2000年のシーガイアミーティングという良い機会を与えられたので、他の領域のSIG関係者とも連絡をとりながら、皆様のご意見を拝聴する所存です。
歯科のMMLは現在のMMLに対してどのような位置づけであればよいのか?
という問は、昔から論じられてきた医科・歯科は1元か2元かという問と同質であり、MMLに関する現実的な回答を求めるだけでは不十分な点もあるかもしれません。しかし、医療の情報処理を考える時に避けては通れない部分であると考えています。
歯科と医科の情報交換は何が異なるか?
○部位の概念
・乳歯20本と永久歯32本はそれぞれ独立した臓器と考えられる。
・歯はそれぞれ独立して疾病に罹患し、独立して機能を停止する。
・歯周炎のように複数の歯にまたがる疾患もある。
・歯を半分や1/3に切った場合も対象となる。
・正常な場所にない場合も対象となる。
○部位の表現方法
・独立した歯を表記するのに、歯科業界独特の表現方法がある。
・その表現方法は部位情報だけでなく、その状態を含めており複雑である。
・その表現方法は歯を示すだけでなく、その歯のある領域を示すこともある。
・顎関節、歯槽骨など、歯の部位で表せない部位も歯科の対象である。
○病名
・同じ病名が、同じ固体に独立して発生することが多い。
・分割した歯であっても病名をつける必要がある。
・病名の対象がなくても、病名をつける必要がある。
○診療形態
・診断よりも処置に関する情報の方が多く、その必要性も高い。
・硬組織として一部を残した処置を行うことが多い。
・処置の順序に制限がある。
・予約は診療台が単位となる。
・観血処置を伴うことが多いので、感染症に配慮が必要。
・他
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