医療用参照系画像データベースr-COVA

 

 

田中 久淳
(株)アボック西村


この度、医療用参照系画像データベースシステムr-COVAを開発いたしましたので、ご紹介いたします。

 

本システムは、DICOMサーバやDICOMモダリティからDICOMプロトコルで受信した画像データを、独自のプログラムでJPEGに変換し、WWWサーバで各クライアントにサービスするシステムです。

(図1)

今回は、システムの特徴と簡単な操作の実演によるデモを行います。

(図2)

1. 柔軟性

・インターネット(WWW)技術の応用

【連携】

インターネットにおける標準技術であり最も一般的なWWW技術を利用することで画像の呼出し手順も標準化されるため、電子カルテシステム等他システムとの連携が簡単に行えます。

【統合】

また画面のデザインにつきましても一般的なHTMLを基本としていますので要望に応じて変更することができます。例えば画面の色を連携する他システムに合わせたり、組織のマークを画面上の好きな場所に貼り付けるということも可能です。

【拡張】

基本機能(画像参照)においてはクライアントライセンスが必要ではないためネットワーク上のどのクライアントのWWWブラウザからでもr-COVAを参照でき、ネットワークの拡張やクライアントの増設等にも柔軟に対応可能です。※1

 

・イメージ処理

画質についてはモダリティ>ステーション>部位という単位(最小単位:部位)でウインドウレベル・サイズ、トーンカーブを事前設定し、これに基づいて変換されるためモダリティとDICOMデータの特性相違の補正やディスプレイ特性に合わせた補正※2も可能です。

 

2. 即時性

・ネットワーク対応

ネットワーク経由で送られてくるDICOMデータを即時処理しデータベースへの登録およびJPEG画像での変換を行います。モダリティでの撮影後、画像変換・データベースの登録がすべて自動で行われるため迅速で安定確実な運用が可能です。

・FastEthernet

FastEthernet(100Base-tx)以上のネットワークにも対応可能であるためクライアントにおける画像の参照も瞬時に行うことができます。※3

またクライアント側とモダリティ側向けに複数のネットワークカードを装着することも可能なためネットワークトラフィックの分散等ユーザーの多様なネットワークトポロジポロシーに柔軟に対応します。

 

3. 経済性

・画像圧縮・縮小

無圧縮の元画像をJPEG圧縮し格納するためハードディスク、ネットワーク等のリソースを有効に利用し負担を軽減します。

またディスプレイからはみ出て見づらくなってしまう画像については矩形の範囲を指定しこれに収まるように縮小できます。

圧縮時のクオリティや縮小時の矩形範囲もモダリティ>ステーション>部位の単位で指定できます。

・簡易DICOMビュア

オプション※4でJAVAを使用した簡易DICOMビュアの利用も可能です。これは簡易的にウインドウレベル・サイズ、トーンカーブの指定を動的に変化させて画像を見ることができるツールで、変更後参照画像サーバーに再登録することも可能です。

 

4. 操作性

・WWWブラウザ

操作の基本はWWWブラウザの操作となるためWWWブラウザに慣れたユーザーなら簡単なマニュアルで利用することが可能です。慣れていないユーザーでも画面推移を抑えた設計のため複雑な操作は一切ありません。

・マルチウインドウ

サムネイル(画像一覧)表示からの個々の画像表示は基本的にマルチウインドウとなるため複数の画像を並べて比較することもできます。

 

5. 利便性

・JPEG

標準的な画像フォーマットであるJPEGで格納されているため画像の2次利用も簡単で、ワードプロセッサやレタッチソフトへコピー&ペースト(ドラッグ&ドロップ)等の操作で貼り付けることで可能です。※5

ネットワークに接続されたクライアントから参照画像サーバー上の画像をいつでも利用できることになります。※6

 

6. 汎用性

・DICOM3

業界標準のDICOM3プロトコルのC-STOREをサポートしSCPとして機能します。SCU(DICOMサーバー、モダリティ等)から送られてくるDICOMデータを受信後即時処理を行います。

 

7. 機密性

・セキュリティ
ユーザーの要望に応じたセキュリティレベルに対応できます。※7

 

8. システム

・サーバー

クライアント数、SCU(DICOMサーバー、モダリティ)数による。

ハードウエア

PU: PentiumIII 750MHz以上 × 1
MEMORY: 512MB
HD: RAID5 50GB 以上
DAT: DDS3以上 × 1
NIC: 100Base-TX以上 × 2
BACKUP: 画像発生規模により選択肢あり
UPS: 必要

ソフトウエア

DB: ORACLE WorkGroup server 8I
CGI: TANGO 2000 Standard Edition
BACKUP ARCserve(+ ORACLE option)
UPS: PowerCute

・クライアント

Window 95/98/2000/NT
WWWブラウザ: Internet Explorer 5.0 以上
Netscape Communicator 4.7 以上
MacOS
WWWブラウザ: Internet Explorer 5.0 以上
Netscape Communicator 4.7 以上
Unix
WWWブラウザ: Netscape Communicator 4.7 以上

 

 

※1 サーバーはクライアント数に応じたパフォーマンスが要求されますので導入当初から将来的拡張を考慮した構成にする必要があります。

※2 使用している代表的なディスプレイの特性に合わせます。

※3 ネットワークその他の状況により変わることもあります。

※4 構成により利用できない場合があります。また当オプションのみクライアントライセンスが必要で、別途設定費用も必要となります。

※5 アプリケーションがコピー&ペースト(ドラッグ&ドロップ)に対応している必要があります。

※6 セキュリティは存在します。

※7 御相談ください。