このたび透析SIGでは透析モジュール(mmlHd)C案を提出致しました。これは2000年に日本透析医学会が策定したHeMXをMMLで使用可能にするものです。
1)mmlHdが参考にしたHeMXについて
HeMXとは、(Hemodialysis Medical Information Exchange Format、以下 HeMX)の略で、血液透析に関する診療情報の記述と交換を共通化、標準化するために設計された交換規約です。2000年に日本透析医学会で策定されました。
HeMXは、医療施設間で血液透析治療の実施と管理に必要なデータを受け渡しするためのXML(Extensible Markup Language)を用いたデータフォーマットで、血液透析療法に関する 専門的、特異的な診療情報を取り扱うことを主眼としております。なお、一般的 な外来・入院診療に関する情報は他の方法で交換されることを前提としております。
データ構造の概略としては医療施設と患者の識別情報を持つヘッダー部と、血液透析の履歴情報(HD History Section)、指示情報(HD OrderSection)、実施記録情報(HD Progress Section)、検査情報(HD Test Result Section)の4つのセクションからなる本体部から構成されています。
履歴セクションは透析導入部とブラッドアクセスの情報を持ち、指示セクションは透析医療に固有の継続指示、曜日単位の指示、透析1回毎の指示を記述できる構造となっています。実施セクションはスタッフによる諸観察項目と機器からの取り込み情報を記載可能としています。 検査セクションは血液透析に関連する最小限度の項目の記述を目的とし、それ以外の詳細な検査は外部参照することとしております。2)mmlHdの誕生について
上記のHeMXは一部の透析施設やメーカ((株)サン・ジャパン)で利用されはじめておりますが、全てがHeMXのみで完結するわけではなく、他の施設との情報交換ではMMLとHeMXの2種類の交換が必要になります。そこで透析SIGでは、HeMXをMMLのモジュールとすることで、施設間の情報交換をMMLのみで行なうことを目的に作業をしました。
この透析モジュールの特徴は、mmlHdの先頭にHeMXの外部 参照を設けたことにより既存のHeMXが利用可能です。
また、施設情報はmmlFcモジュールを、患者情報はmmlPiモ ジュールを、疾患名はmmlRdモジュールをそれぞれ使用し、投薬 (1.6.1.1.12、1.6.2.13、1.7.1.12)、注射 (1.6.1.1.13、1.6.2.14、1.7.1.13)は透析施行中 に行う投薬、注射を想定しており、一般的な投薬、注射は mmlCLAIMモジュールを使用することとしました。