これからのMML −京都町屋宣言−

MedXMLコンソーシアム 技術委員長 中島裕生

 


【概要】

世界におけるEHRの活動の高まりと同時に、その実績を積み重ねた上での標準化に向けた方向性も次第に明らかになってきつつある。ここでは、現時点での一つの方向性としてとりあげた、京都町屋宣言についてその背景を説明する。

さらに、京都町屋宣言では、具体的な方向性としてISO13606に向けた活動を示唆しているが、ISO13606を理解するに大事なキーワード、Archetypeについて、その概念の発端からできるだけ詳細な説明を行う。Archetypeとは?を知ることで、ISO13606の真髄を知ろうとする大胆な試みである。

 

-------MedXML京都町屋宣言 --------

2007年2月10日に行われたMedXMLコンソーシアム主催の「町家DEトーク」において、次期MMLのあるべき形を検討した結果、ISO13606準拠の方向で開発を進めることとなりました。MedXMLコンソーシアムはISO13606に関する調査を行い、実装規約・ツールの開発・実証・普及を目的とした体制を新設します。

【参考情報】ISO13606とは、13606-1(参照モデル)、13606-2(Archetype交換仕様)、13606-3(参照Archetype&用語リスト)、13606-4(セキュリティ)、13606-5(交換モデル)から構成される標準案であり、今後順次、投票を経てISOとして発布される見通しです。

その目的は、患者のEHR(電子健康記録)の一部またはすべてを伝達するために、正確かつ安定した情報アーキテクチャを定義するとされています。これは、EHRデータを伝達(アクセス、転送、追加または修正)する必要のあるシステムおよびコンポーネントの相互運用性を支援することになります。

医療情報交換規約の重要な用途としてEHRがあり、ISO13606が今後、文字通りのグローバルスタンダードになる位置づけから、MedXMLコンソーシアムとしてもその趣旨を生かした活動を新たに起こそうとする宣言です。

【関連規格】ISO20514(EHR定義)、ISO18308(EHR参照アーキテクチャ要求)、ISO12967-1(エンタープライズビューポイント)、ISO12967-2(情報ビューポイント)、ISO12967-3(コンピューテーショナルビューポイント)

【参考サイト】

openEHR Community <http://www.openehr.org/>

MedXML京都町屋宣言 <http://www.medxml.net/20070210dec.html>