プログラム

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updated 2015-05-25

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LinkIconこれからの医療情報向けクラウドシステムへのアプローチについて暫定プログラム 2015.4.21版

5月16日(土) 9:00~17:00(受付8:30〜)

08:30~ 受付開始

09:00~ 開会の挨拶
 吉原博幸(開催地世話人)
 大橋克洋(特定非営利活動法人MedXMLコンソーシアム 理事長)

午前:9時〜12時

1)global EHR Project (100年カルテ)の構想とマイルストーン
(宮崎大学:吉原博幸、荒木賢二)
2014年3月、健康・医療戦略(平成26年7月22日閣議決定)に基づき、次世代医療ICT基盤タスクフォースが作られ、2014年7月まで協議が進められた。その結果を受けて、次世代医療ICT基盤協議会が2015年1月に開催されることとなった(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisinkaigi/dai9/siryou5.pdf)。
日程の遅れで、4月2日開催となったが、その中ではA〜Fの6つのグループが設定され、各々のグループに多くのワーキング・グループが設置されることとなった。100年カルテプロジェクトは、それらの一つのWGとして位置づけられる。
1995年のMML開発スタート、2000年のMML完成、これを受けた2001年のEHRプロジェクト(Dolphin Project)開始・稼働と、長い歴史を持つDolphin Projectが、この機会に「世界標準医療情報規格への転換 (ISO13606 base)」「EHRのクラウド化」「医療情報の2次利用実現」をキーワードとした新たな展開を目指そうとしている。本プロジェクトの概要と現状について概説する。

発表資料pdfLinkIconglobal EHR Project (100年カルテ)の構想とマイルストーン


2)医療健康分野におけるマイナンバー制度の活用可能性について
(CIPPS:金子麻衣)
マイナンバー法では、行政や医療保険者が利用する医療保険が対象となっており、医療機関が診療情報等に活用することはできない。しかし、乳児の予防接種や健康保険組合による特定健診の情報を転職や引越しの際に簡単に引き継げる改正法案が提出されるなど番号活用の流れは存在する。厚労省の研究会での検討状況や、今後の医療健康分野における番号制度の活用について発表する。

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3)MML/CLAIMの改訂とISO 13606標準対応について
(京都大学:小林慎治)
MML/CLAIM規格はは15年にわたって医療情報連携の標準として地域医療連携や病院内システム間連携に利用されてきた。しかしながら、医療を取り巻く状況の変化に伴い仕様の追加や変更についての要望も出てきている。これまで、相互運用性の強化のためのHL7-CDA Rel1対応やISO 13606標準を利用した内部構造の再設計やバイタルサインモジュール、体温表モジュールの追加などの取り組みがなされてきているが、2002年にMML Ver 3をリリースして以来公式にはテーブル以外に変更がない。
MML/CLAIMおよび医療分野での標準について現状を整理し、今後の方針と開発体制および具体的なスケジュールを設定すべく議論を行いたい。


4)検査マスターの突合と今後の展開戦略
(京都大学EHR共同研究講座:粂 直人)
レセ情報と検査結果データを用いることで,診療行為とその結果の関係性を明らかにすることができる.一方,大規模に検査結果を集積して臨床研究に活用するためには,各施設の検査結果の違いを項目レベルで吸収し,突合できなければならない.多施設の検査結果を集約するための項目コードの突合を行うために,独自の検査項目マスターを定義した.現在,京都大学病院,宮崎大学病院,千葉大学病院のマスターの突合を試みており,第一版の検査項目マスターの定義を終えたので報告する.また,マスターと検索システムの連携により検査結果を効率よく取得する方法を考察する.


5)これからの医療情報向けクラウドシステムへのアプローチについて
(デュアルカナム株式会社:大松重尚)
海外のクラウドシステムの拡大また国内でのプライベートクラウドでの様々な課題に対して、日本国内でどのような技術開発を以て、ベストプラクティスを実装できるか、新たに開発したデータ転送技術のデモを含めて、これからのクラウドシステムのイメージを語る。

発表資料pdfLinkIconこれからの医療情報向けクラウドシステムへのアプローチについて


6)EHRを臨床研究のEDC基盤として使うための技術的課題
(京都大学:黒田知宏)
これまでの一般的なEHRの議論では、診療連携目的の一次利用と、研究・商業目的の二次利用という利用法が議論されてきた。2000年頃には一次利用を主目的として、現在は二次利用を主目的として様々なパイロット事業が行われようとしている。しかし、実際の臨床研究の場面では、後ろ向きにデータ解析が行われることは多くなく、前向き研究目的で一次データが収集されることが多く行われており、実際に多くのデータと録事業が行われている。大学機関レベルでも、研究チーム単位で複数診療機関から情報が収集することが行われており、WEBや紙ベースでの情報収集が頻繁に行われている。
 一方、実際のデータ収集は臨床場面の中で行われていることが多い。従って、多くの大学病院ではテンプレートなどを用いたデータ収集環境が構築され、研究用データが診療録の一部として収集されている。本取り組みは、EHRをツールとして、この考え方を地域全体に広げることを目指したものである。
 本発表では、上記を実装するに当たって考え得る幾つかの技術的課題について議論する。

発表資料pdfLinkIconEHRを臨床研究のEDC基盤として使うための技術的課題

12:00~14:00 昼休み (12:00~13:00 MedXMLコンソーシアム理事会

13:45~14:00 MedXMLコンソーシアム総会(会員の皆様はご参加ください)



午後:14時〜17時

7)オープンイノベーション・ゲーミフィケーションよるヘルスケアデータ活用
(株式会社オプト:齊藤 秀、殿岡康永)
ウェアラブルデバイスや情報端末の小型化に伴い、インターネットオブシングスの概念のもとあらゆる情報がセンシングされ流通する時代が到来しつつあります。並行して、クラウドコンピューティングのコモディティ化、計算機能力の飛躍的向上から、ビッグデータの処理環境構築のハードルが下がり、ビッグデータからのイノベーションが期待されています。ヘルスケア領域においても、基礎研究から臨床応用まであらゆる場面でビッグデータ活用が重要と認識されています。一方で、現状、医療データの活用はまだまだ模索状態であり、医療データ分析は多くの部分で属人的な側面が多く、対象とするデータ量や課題に対する分析リソースの供給が絶対的に不足しています。一つの解決法として、オープンイノベーションの活用が考えられ、すでに医療・生命科学領域においても事例が創出されてきています。それらの事例の中にはゲーム性を利用した、いわゆる「ゲーミフィケーション」を応用したものがしばしば見られます。加えて、最近流行している位置情報を利用したゲームがヘルスケア領域にも以外な影響を与えつつあります。医療ビッグデータ活用からゲーミフィケーションまで、幅広い事例や演者らの取り組みをお話します。


8)DPC公開データから見える地域医療の実態
(リーズンホワイ株式会社:塩飽哲生)
厚生労働省は、DPC準備病院を含めたDPC病院の疾病別患者数と平均在院日数のデータを公開しており、2013年の実績値では約1800の病院のデータを国民誰もが見られる状況である。
本演題では、これら1800の病院のデータ、および人口問題研究所が公開する現在から2040年までの人口データを組み合わせることで、地域および疾患ごとの推計患者数を算出すること。そしてその推計患者数とその地域で提供された実際の患者数との差分をみることで、地域医療の現状と課題を明らかにすることを目的とする。

発表資料pdfLinkIconDPC公開データから見える地域医療の実態


9)電子カルテの仕組みやユーザインタフェースはどうあるべきか
(大橋産科婦人科:大橋克洋)
電子カルテを、ただひとつのアプリケーションとして作ってしまうと、結局万人に不満の、使えないものになってしまう。理想的には「利用者ごとに異なる電子カルテ」があるべきだ。電子カルテのシステム・デザインを根本的に変えれば、相反する命題「万能の道具」を「ドクター固有の道具」として使うことが可能となる。これを実現するためのアイデアは、電子カルテの構造を基本的に「基本部分」と「周辺ツール」に分けるところにある。講演では、具体例を示しながら議論したい。

発表資料 電子カルテの仕組みやユーザインタフェースはどうあるべきか


10)WINE STYLEとおみやげカルテの連携によるEHRの新たな表現の創出
(ドクターズモバイル:中尾彰宏:、鎌倉アーバンクリニック:高橋 究
電子カルテ「WINE STYLE」とEHRの見える化サービス「おみやげカルテ」の連携モジュールを開発した。その実装や運用状況について報告する。


11)市民のための医療ビッグデータ解析基盤の構築とその展望
(サイバーラボ:加藤康之)
昨今医療ビッグデータの分析が盛んに行われつつありますが、その殆どが医療機関のための解析や医薬・医材企業のための解析に主眼が置かれて来ました。ここでは医療サービスを受ける市民の側から見たデータ解析のあり方やそのサービス形態などについて過去4年間の取り組みと今後の展望について報告致します。


17:00~ 総合討論

18:00~ 意見交換会・懇親会 コテージヒムカ